裁判離婚
協議離婚、調停離婚が成立せず、審判離婚が成されない時に、判決によって離婚すること。裁判離婚の成立は離婚総数の1%程度である。
概要
離婚の訴えは、家庭裁判所の管轄に専属する(人事訴訟法4条1項、2条1号)。つまり、家庭裁判所に訴えを提起する必要があり、地方裁判所での審理を希望することは不可能である。
離婚の訴えに係る訴訟において、離婚をなす旨の和解が成立し、又は請求の認諾がなされ、これを調書に記載したときは、離婚の判決と同一の効力(「調停離婚」の項を参照)を有する(同法37条、民事訴訟法267条)。
離婚原因
裁判上の離婚には民法第770条に定められている離婚原因が存在しなければならず、夫婦の一方は、以下の場合に限り、離婚の訴えを提起することができる(民法第770条1項)。
ただし、裁判所は、民法第770条1項の第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる(民法第770条2項)。
裁判所の意識
根本では「現在ある人間関係を維持する」ことを意識している。同意のない離婚を事実上不可能にし、離婚の選択権を、離婚の原因(落ち度)の無い配偶者にゆだねている。これによって、配偶者が現在の人間関係を続けることを望めば、離婚できないようにしている[1]。
また、不貞・虐待・遺棄などについては有責行為を必要とする有責主義の考え方、当事者間に婚姻を継続しがたい理由がある場合には破綻主義の考え方により、離婚が認められるが、判例上、有責者が婚姻の破綻を理由に離婚請求した場合には、容易には離婚が認められない。
憲法の規定
日本国憲法第24条は、「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立(する)」と述べている。そうならば、離婚は片方の意思があれば成立するように見える。しかし、そのような政策を採用している国は無い。片方の一時の感情で、簡単に離婚を成立させてしまうと、後で取り返しのつかない結果を招いて、うまく行かないからである。「婚姻の合意」とは、相手や生まれてくる子どもに対する長期的な義務を負う契約である。またどの夫婦にも離婚の危機はあるが、研究によれば、その危機を乗り越えると5年後には、90%のカップルで関係が改善する。また離婚しても、元の配偶者と、子どもについての交渉をしなければならない。再婚しても再度離婚になる率は高い。こうしたことから、どの国も、離婚を多少とも困難にする政策を採用している。
